各種自費検査

トリマーキュリー(水銀)検査

有害金属は日々の生活や周りの環境から、気づかない間に体内に入り込んでおり、原因不明の体調不良や将来的な疾患の発症を引き起こすおそれがあります。有害金属とは、環境や食品に含まれる鉛・カドミウム・水銀・ニッケル・アルミニウム・ヒ素などのことで、呼吸や食事から蓄積すると身体に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、有害金属を体外に排出するときに有効な亜鉛などのミネラルが足りなくなることで蓄積することもあります。
食品の中では特に海産物に注意してください。日本人はカツオやマグロをよく食べる習慣があり、欧米人と比べて水銀の蓄積量が2〜6倍にもなると考えられています。また、アルミニウムは、アルミホイルだけでなくベーキングパウダーなどにも含まれているため、注意が必要です。

当院が採用している米国Quicksilver Scientific社のトリマーキュリー検査では、体内にどの程度無機水銀とメチル水銀が蓄積しているのか、そしてそれらをどの程度排泄できているかを調べることができます。特にこの検査が優れているのは、無機水銀とメチル水銀を分離して個別に測定できる点です。特に日本人が気にかけないといけないのは、歯の詰め物(アマルガム)としての無機水銀、魚介類を介して摂取しているエチル水銀です。
いろいろな検査を受けても異常が見つからない、でも体調がいまいちおもわしくない方は、一度この検査を検討してみるのもよいでしょう。

特に有害重金属は注意が必要

有害重金属 含まれるもの 引き起こす症状

水銀

農薬、魚介類、アマルガム(水銀と他の金属との合金)

手のふるえ、脱毛、イライラ、動脈硬化

白髪染め、缶詰、排気ガス

疲労感、貧血、うつ

カドミウム

水道水、たばこ

 腎障害、高血圧

アルミニウム

脱臭剤、アルミホイル、歯磨き粉

 筋肉の硬直、記憶障害

ヒ素

殺虫剤、農薬

手足のしびれ、皮膚障害、下痢、嘔吐、便秘

ニッケル

各種化粧品

アレルギー、喘息、皮膚炎

※水銀以外の有害金属については、「オリゴスキャン」検査で調べることができます。

検査の方法

来院していただいたら、血液(体内の水銀用)、毛髪(メチル水銀用)、尿(無機水銀用)を採取します。採取した検体はアメリカに送って分析してもらうため、結果が出るまで1ヵ月程度お待ちいただきます。結果が出ましたら再度来院していただき、結果の説明と今後の治療などについてお話しします。

トリマーキュリー(水銀)検査の費用

検査名 料金(税込み)

トリマーキュリー(水銀)検査

55,000円

※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。

腸管バリアパネル検査(リーキーガット)

リーキーガット(腸管壁浸漏)とは

腸管バリアパネル検査(リーキーガット)

私たちの腸管の内側にはバリア機能を有する腸内層があり、腸管内にあるさまざまな物質が血管内に入るのを阻止しています。しかし、この腸内層に大きな亀裂や穴が生じ、未消化の食物、毒素、寄生虫などがその下の組織に侵入すると、炎症を引き起こし、さまざまな問題の原因となります。この状態をリーキーガット(Leaky Gut)と呼びます。リーキーガットの原因は、食事の偏りやストレス、抗生物質の乱用など、さまざまな要因が考えられています。リーキーガットが長期的に続くと、腹痛、下痢、便秘などの各種消化器症状のほか、体の免疫系や神経系にも悪影響を与えるおそれがあります。また、最近では、リーキーガットによって自己免疫疾患やアレルギー症状が引き起こされるということもわかっています。

この検査では、採血をしてカンジダ(菌)、ゾヌリン(タンパク質)、オクルディン(タンパク質)の抗体を調べます。カンジダは、皮膚、粘膜、消化管に生息していますが、この抗体反応がみられた場合、この菌のタンパク質が腸壁から血液中に入り込んだこと示しています。そして他の2つのタンパク質についても同様の理由で測定します。

腸管バリアパネル検査(リーキーガット)費用

検査名 料金(税込み)
腸管バリアパネル検査 33,000円

※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。

体内カビ(マイコトキシン)検査

マイコトキシンとは、ある特定のカビ(真菌)によって自然に生成される有毒物質の総称で、その種類は数百にも及びます。これらの有害物質は、建物、食料品、家畜などにはびこっており、体がこれらに曝露(汚染食料品の摂取、皮膚接触、汚染空気の吸引、胎盤を通じた胎児への汚染、授乳など)することでさまざまな体調不良が引き起こされます。なかには発がん性を有するタイプもあるため注意が必要です。
マイコトキシンは、熱処理やその他さまざまな処理を試みてもなかなか不活化できないといった厄介な特徴もあります。ちなみにEUでは、全穀類の20%にマイコトキシン汚染が確認されています。また、さまざまな病気の原因としてこのマイコトキシンが過小評価されているとする意見もあります。マイコトキシンの毒性は、生命を脅かすような急速に症状が出るものもありますが、先進国で観察される健康への悪影響のほとんどは、長期間にわたってマイコトキシンに少しずつ曝露されることが原因だとされています。
この検査では、採取した尿から40種類のカビを含む11種類のマイコトキシンを調べます。

マイコトキシンによる代表的な症状

  • 頭痛
  • 嘔吐
  • アレルギー性結膜炎(目が赤くなる、かゆみ、涙目など)
  • 鼻づまり、鼻水、鼻炎
  • くしゃみ
  • のどの痛み
  • 咳、息切れ
  • 喘息発作(元々気道に過敏症がある人)
  • 疲労

マイコトキシンの関連が疑われる疾患

  • アルツハイマー病
  • 不安・抑うつ
  • 喘息
  • 自閉症
  • 気管支炎
  • がん(肝臓、食道など)
  • 慢性疲労
  • 認知機能障害
  • リーキーガット
  • 不妊症
  • 炎症性腸疾患(IBD)
  • 多発性硬化症
  • パーキンソン病

マイコトキシン検査で調べるマイコトキシンマーカー

アフラトキシンM1 (AFM1)

アフラトキシンB1の主な代謝産物であり、カビの一種アスペルギルスによって生成されるマイコトキシンです。アフラトキシンは、環境で最も発がん性のある物質のひとつです。

オクラトキシンA (OTA)

腎毒性、免疫毒性、発がん性があるマイコトキシンで、アスペルギルス属とペニシリウム属のカビによって生産されます。曝露は主に汚染された食品によるものですが、水害を受けた建物での吸入により曝露する可能性もあります。

ステリグマトシスチン (STG)

アフラトキシンと密接に関連するマイコトキシンで、アスペルギルスやペニシリウムといったいくつかのカビの種から生産されます。湿ったカーペットのほこりや多くの食品に含まれる物質です。

ロリジンE

モザイク種フザリウム属 (Fusarium)、ミロセシウム属 (Myrothecium) およびスタキボトリス属 (Stachybotrys) (黒カビ) によって生成される大環状トリコテセンです。大環状トリコテセンへは、低レベルの曝露でさえ、重度の神経学的損傷、免疫抑制、内分泌攪乱、心血管障害、および胃腸障害を引き起こす可能性があります。

ベルカリンA

スタキボトリス属、フザリウム属、およびミロセシウムから産生される大環状トリコテセンマイコトキシンです。トリコテセンは、水害を受けた建物でよくみられますが、汚染された穀物にもみられます。

エニアチンB

真菌フザリウムによって生成されるシクロヘキサのデプシペプチド毒素に分類される真菌代謝産物で、この真菌の菌株は最も一般的な穀類の汚染物質のひとつです。慢性的に曝露することで体重減少、疲労および肝臓疾患を引き起こす可能性もあります。

ゼアラレノン (ZEA)

真菌フザリウムによって産生され、小麦、大麦、米、トウモロコシなどの食品によくみられます。ゼアラレノンはエストロゲン活性を有しており、曝露することで生殖の変化につながる可能性があります。

グリオトキシン (GTX)

カビ属アスペルギルスによって産生されます。アスペルギルスは、個体の小さな肺胞の気道に侵入する分生子を放出することによって、環境中に広がります。体による防御を回避するために、アスペルギルスはグリオトキシンを放出して免疫系を阻害します。グリオトキシンの標的のひとつは、PtdIns (3,4,5) P3です。これは、貪食免疫防御のダウンレギュレーション(下方制御)をもたらし、腸内環境を含む微生物感染の悪化を招く可能性があります。グリオトキシンは、T細胞の活性化を損ない、単球および単球由来樹状細胞においてアポトーシスを誘導します。これらの障害は、複数の神経学的症候群につながる可能性があります。

ミコフェノール酸 (MPA)

ペニシリウム属真菌によって産生されます。MPAは、Bリンパ球およびTリンパ球の増殖を阻害する免疫抑制剤です。MPAに曝露することで、クロストリジウムやカンジダなどの日和見感染のリスクが高まるおそれがあります。妊娠中のMPAへの曝露は、流産および先天性奇形と関連があります。

シトリニン(ジヒドロシトリノンDHC)

シトリニン (CTN) の代謝産物であり、CTNはカビ種アスペルギルス、ペニシリウムおよびモナスカスによって産生されるマイコトキシンです。CTNへの曝露は、腎臓におけるミトコンドリア膜の透過性を増加させるその能力のために、腎症に至ることがあります。最も一般的な曝露経路は、摂取、吸入、皮膚接触の3つです。CTNはラットの研究において発がん性があることが示されており、複数の研究がCTNへの曝露と免疫反応の抑制の関連を示しています。

ケトグロボシンA (CHA)

カビ属カエトミウムグロボスム (CG) によって産生されています。CGは水害にあった家庭で一般的にみられ、水害を 受けた建物の最大49%にCGがあることが確認されています。CHAは最小容量でも非常に毒性が高く、細胞分裂および細胞運動を破壊します。この胞子はエアロゾル化しない傾向があるため、CGへの曝露はマイコトキシンを介したものとなります。CHAへの曝露は、神経損傷、腹膜炎および皮膚病変に関連しています。

この検査では、マイコトキシンの有無や量を調べることはできますが、その原因となるカビがどこで発生しているかまではわかりません。このため、カビが発生しやすい場所や疑わしい食品などを調べて対策する必要があります。また、カビなどの原因物質の排除だけでなく、食事療法、生活習慣、運動療法、デトックスといった全身面でのフォローや、基礎的なサポートとして、マルチビタミン/ミネラル、プロバイオティクス、各種酸化防止剤、グルタチオン、抗菌剤などもご提案する場合があります。

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カビが発生しやすい場所

屋内全般

なるべく湿度を60%以下に保ちましょう。60%を超えるとカビの活動が活発になります。また、温度はなるべく25℃以下に保ちます。まめに掃除をしましょう。食べかす、ほこり、ちり、ダニなどはカビのエサになります。

窓枠とドア

特に冬場に結露しやすい場所であるためカビも発生しやすくなります。定期的に開けて風通しをよくして湿気が残らないようにしましょう。最近は、結露防止シートといった、窓の結露を防ぐグッズも販売されています。特に梅雨の時期はエアコンや除湿機を活用しましょう。

配管

浴室、台所、洗濯場など、配管源に水漏れがないか確認します。周囲にカビがみられる場合、水漏れしていないかも確認しましょう。また、パイプクリーナーなどを適宜活用するとよいでしょう。

トイレ・浴室

換気が悪いと特にカビが発生しやすくなります。壁、排水口、換気扇などをよく調べ、カビがみられたらすぐに取り除きます。使用後は換気扇を回したり窓を開けたりと換気をよくして湿度が高い時間を少しでも短くしましょう。

クローゼット

光が遮られていることが多く、カビが発生しやすい場所です。濡れた服やタオルを置かないようにし、もしクローゼット内にカビがみられたら、すぐに中の衣類等を洗濯しましょう。定期的にドアを開けて換気します。また、除湿剤も役に立ちます。

洗濯場・ランドリールーム

水を多く使う洗濯機の周囲はカビにとって理想的な環境です。洗濯が終わったら洗濯機の蓋を開けたままにして湿気が残らないようにしましょう。また、洗濯機の周囲、特に普段見ることのない底部も確認してください。水の排出口もカビが発生しやすい場所です。

空調システム

エアコンの内部もカビがよく発生する場所です。フィルタを定期的に掃除してください。吹き出される風に乗ってカビが大量にばらまかれます。これを吸うことでマイコトキシンを取り込むことになります。

屋根

屋根に雨漏りがないか確認します。普段みることがないため、築後ある程度年数が経っている家屋では屋根の点検も必要でしょう。屋根裏は年中日陰であることから、カビが発生しやすい場所です。

寝具

睡眠中の汗を吸収する布団やマットレスもカビが繁殖しやすい場所です。布団乾燥器を活用するか、定期的にマットレスや敷き布団を干して湿気を取り除きましょう。

冷蔵庫

案外冷蔵庫の中もカビが発生します。本来カビは、暖かく湿気が多い場所を好みますが、冷たい環境にも耐えうることがあります。食品に付いたカビ、扉の淵、製氷機などをチェックしましょう。

食物

特に、農産物、穀類、トウモロコシ、パン、チーズ、スパイス、コーヒー豆、ナッツ、ドライフルーツ、ブドウジュース、ワインなどに気をつけましょう。定期的に冷蔵庫の中をチェックして、長く置いたままにしている食品がないか確認しましょう。

体内カビ検査の費用

検査名 料金(税込み)
マイコトキシン検査 50,000円

※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。
※朝一番の尿を自宅で採取します。
※尿を採取する12時間前までに食事を済ませてください(マイコトキシンの検出がよくなるため)。
※尿をアメリカに送るため、結果が出るまで最長で4週間ほどかかります。

腸内細菌検査(腸内フローラ検査)

腸内細菌検査(腸内フローラ検査)

腸内には1,000種類以上の腸内細菌が住みついており、その数は約100兆個にも及び、これは全身の細胞数の10倍にもなります。また、体内のゲノムよりも100倍も多く遺伝子をエンコードしていると考えられています[1]。これらの細菌は、とりわけ大腸に多く生息しており、花畑をイメージして腸内フローラと呼ばれることもあります。これだけの数で構成される腸内フローラです。一旦バランスが崩れると、体にさまざまな悪い影響が出てくることは容易に想像できるでしょう。その悪い影響には、肥満、炎症性腸疾患、自己免疫疾患、がん、精神疾患などがあります[2]。
腸内フローラには個人差があり、年齢、生活習慣、ストレスなどによって状況は変わります。
菌の多様性が高いほど、環境変化やストレスへの耐性が強いとされています。

参考元

[1] Ley, R. E., Peterson, D. A. & Gordon, J. I. Ecological and evolutionary forces shaping microbial diversity in the human intestine. Cell 124, 837–848 (2006)
[2] Bull MJ, Plummer NT. Part 1: The Human Gut Microbiome in Health and Disease. Integr Med (Encinitas). 2014 Dec;13(6):17-22. PMID: 26770121; PMCID: PMC4566439.

腸内フローラ検査で分かること

腸内フローラの総合判定

A,B,C,D,Eの5段階評価です。多様性、短鎖脂肪酸、腸管免疫、口腔常在菌の4つの指標に基づいてます。

大腸内視鏡検査のおすすめ度

大腸がん患者の腸内細菌叢にはフソバクテリウムが含まれる割合が高いことがわかっています。このフソバクテリウムの占める割合が10%以上になった場合に「異常あり」として注意喚起されます。大腸内視鏡や大腸CTの受診をお勧めします。

多様性度

存在する菌の「種類の数」と、それがどの程度まんべんなく存在しているかの「均等度」の2つに基づいて算出されます。多様性が低いほどさまざまな疾患リスクが高くなります。

健康長寿菌の判定

A(豊富)、B(平均的)、C(不足)の3段階評価です。ビフィズス菌とフィーカリバクテリウム菌に着目した指標です。

短鎖脂肪酸

短鎖脂肪酸は「天然の薬」ともいわれ、肥満予防や代謝促進、免疫機構の調整などに寄与しています。

腸管免疫

悪い細菌の定着や増殖を防ぐとされる「腸管バリア」など、腸管内の免疫機構に深く関わる菌のバランスを評価します。

口腔常在菌

  • 健康な状態であれば通常問題になりませんが、極端に多いと腸管内の菌叢バランスが崩れ、腸内環境が悪くなります。
  • 大腸がん患者に多くみられるストレプトコッカス属などの菌も調べます。
  • 便やガスの臭いの元になるガンマプロテオバクテリア網も調べます。
  • 口腔常在菌の占有率を確認でき、歯みがきや歯周病の状態などについて情報が得られます。

ダイエット・美容

  • FB比を確認できます。痩せ型の人ではFB比が低く、肥満の人では高いことがわかっています。
  • プレボテラ属菌とバクテロイデス属菌の比率(PB比)を確認できます。この比率が高いと、低い人よりも「高食物繊維・高タンパク質食(高FP食)」によるダイエット効果が高いということがわかっています。PB比が高い人で果物と納豆をよく食べている人ほど、BMIが低い傾向にあります。
  • アッカーマンシア属の有無を調べます。肥満の人や糖尿病の人ではアッカーマンシア属が減少しており、「痩せ菌」とも呼ばれています。
  • エクオール産生菌の有無も調べます。更年期障害の予防・対策や肌のしわ予防・改善に効果があるとされるエクオールを体内で産生できるかがわかります。判定が「あり」の場合、大豆イソフラボンを摂取することでエクオールを体内で産生できる可能性がありますが、「なし」の場合、産生でません。このため、「あり」の方は大豆食品を積極的に摂取するようにし、「なし」の方はサプリメントからエクオールを摂取するのがよいでしょう。

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腸内フローラの検査方法

当院では、最先端の検査方法である「Mykinso Pro」を採用しています。微量の便だけあればできる検査ですので比較的容易に実施可能で、大腸内の細菌の状況を確認できます。

1説明

事前に予約のうえ来院していただきます。この検査について説明を行います。

2問診票・同意書への記入

必要な書類に署名していただきます。検査キットをお渡しします。

3採便

検査キットを使用してご自宅で便を採取します。

4検査キットを返送

問診票・同意書・検査キットを検査機関に返送します(キットの中に返送用の封筒があります)。

5検査レポート受領

6週間以内に検査結果レポートが当院に送信されてきます。
再度来院していただき、結果の説明とそれに応じた今後の治療、対策についてお話しします。

 

腸内フローラ検査を行うメリット

最新の研究によって、潰瘍性大腸炎や大腸がんなどの腸疾患だけでなく、糖尿病、肝臓がん、うつ、アレルギー、認知症、リウマチなども腸内フローラと密接に関係していると報告されています[3]。たとえば、クローン病患者さんの腸内では細菌の多様性が大きく低下していることがわかっています[4]。また、肥満に関わる菌についても調べているため、ダイエットを頑張っているのになかなか痩せられない方も一度受けてみるとよいでしょう。
腸内フローラのベストな状態は個人差があり、ご自身の体調や検査結果を基に、何回かにわたってご自身のデータと比較することで、最適な環境について理解することができます。たとえば、毎年1回受けることで、行っている対策が実際に効いているのかを確認でき、モチベーションのアップにもつながります。

参考元

[3] Cho I, Blaser MJ. The human microbiome: at the interface of health and disease. Nat Rev Genet. 2012 Mar 13;13(4):260-70. doi: 10.1038/nrg3182. PMID: 22411464; PMCID: PMC3418802.
[4] Manichanh C, et al. Reduced diversity of faecal microbiota in Crohn's disease revealed by a metagenomic approach. Gut. 2006;55:205–211. 

腸内フローラ検査費用

検査名 料金(税込み)

腸内フローラ検査

初回22,000円  2回目以降16,500円

※対象年齢16歳以上
※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。

有機酸検査

この検査では、採取した尿から76もの代謝物を測定して、体内の生化学的なバランスを確認し、以下の「この検査でわかること」について評価を行い体の不調の原因を究明します。
細胞が活動するうえで代謝は欠かせません。その代謝を行う過程で化学反応が起き、有機酸が生成されます。たとえば、何らかの原因で腸内の善玉菌が少なくなると、カンジダ菌やアスペルギルス菌などの悪玉菌が優位になり、特有の有機酸が産生され尿中に多く出現します。検査では、尿に出現したこの有機酸を測定します。検出された有機酸の種類から、どういったことが体内で起こっているのかをある程度特定できます。また、細胞のミトコンドリアが正常に機能しているかどうかも有機酸でわかります。ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを産生する役割を担っており、その機能が低下すると、エネルギー不足や細胞死にもつながります。また、ミトコンドリアには、細胞内の酸化ストレスに対する防御機能もあります。

このほか、ミネラルやビタミンの不足、酵素機能不全、代謝不全、免疫機能の低下による胃腸内で過剰なバクテリアや酵母菌の発生、腸壁の損傷、炭水化物の過剰摂取、環境毒素への曝露などが原因となり、普通は確認されないような有機酸が尿中に現れるようになります。
そのため尿中の有機酸は、毒素や代謝経路を表す指標として考えられており、さまざまな疾患の診断に活用されています[1]。
有機酸は、腎臓の糸球体で濾過された後に尿細管でほとんど吸収されません。このため、尿中に多く残り、場合によってその量は血中の100倍になるともいわれています。このため採血ではなく、採尿をして検査を行います。

 

参考元

[1] Lord RS, Bralley JA. Clinical applications of urinary organic acids. Part I: Detoxification markers. Altern Med Rev. 2008 Sep;13(3):205-15. PMID: 18950247.

この検査でわかること

  • 慢性疲労
  • 消化器の不調
  • 精神的な不調
  • 皮膚トラブル
  • 神経疾患
  • 慢性的な痛み
  • 免疫の不調
  • 原因不明の不調
  • 副腎疲労
  • 解毒機能の低下
  • カビ毒への曝露
  • 栄養状態

有機酸検査の代表的な分析項目

分析項目

結果の見方

解糖

感染、運動、ビタミンB欠乏などで上昇します。

クレブス回廊

栄養不足、微生物の過成長、グルタチオンの合成不足などで異常が生じることがあります。

2-オキソグルタル酸

低値は、アンモニアが過剰であることが予想されます。

神経伝達物質

ドーパミン、ノルエピネフリン、アドレナリン、セロトニンの代謝物を測定します。異常がみられる場合、ストレスや解毒が不良である、有害金属に曝露している、特定の腫瘍が存在しているなどが予想されます。また、低値では、気分障害やうつ病の関連が疑われます。

ピリミジン

葉酸が欠乏するとわずかに上昇します。上昇が大きいと遺伝性疾患の可能性があります。

脂肪酸

ケトン食、絶食、中鎖トリグリセリドの摂取、カルニチン欠乏症、糖尿病、遺伝性疾患などにより上昇します。

毒性指標

この分類に異常があると、グルタチオンの欠乏、アンモニアの解毒不足、アスパルテームやサリチル酸塩の摂取を疑います。

ビタミン指標

B12,B6、B5、B2、CoQ10、ビオチン、ビタミンCに関する異常を測定します。

アミノ酸

高値は、代謝の先天性異常が疑われます。ここで測定されるマーカーは、アミノ酸自体の脱アミノ化副産物であるため、低値でもタンパク質の摂取が不足しているとは限りません。
また、吉草酸類似体がわずかに高い場合、チアミン(B1)の補充が必要です。

リン酸

低値は、主にビタミンDが不足しています。また、副甲状腺機能低下症の可能性もあります。

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検査の流れ

1初回カウンセリング時

医師が症状などをお伺いし、簡単な診察と検査の説明を行います。カウンセリング料と検査料をお支払いいただいた後、検査キットをお渡しします。

2採尿前日

尿を採取する24時間前から、リンゴ、ブドウ、梨、クランベリー(そのジュースも含む)や、アラビノガラクタン、エキナセア、霊芝キノコ、Dリボースのサプリメントを控えてください。

3自宅で採尿

キットに含まれる説明書の指示に従って、起床後最初の尿を採取します。その後説明書どおりに尿を冷凍し、キットに含まれる梱包材に入れて発送します。

4結果説明

初回カウンセリングから約1ヵ月後に再度来院していただきます。医師より結果をご説明し、今後の治療方針やアドバイス等をご提案します。

注意事項

有機酸検査は、アメリカの検査機関で検査を行います。その際、検体エラーが起こって検査ができないこともまれにございます。その場合、改めて血液検査を実施して再検査となりますのでご了承ください。
また、患者さん都合によるキャンセルなどがあっても返金いたしかねますので、ご注意ください

有機酸検査の費用

検査名 料金(税込み)

有機酸検査

$400(その時期の為替レートによる)

初診料

11,000円(25分)

再診料(結果説明)

8,800円(20分)

予約制です。

遅延型アレルギー検査(IgG食物過敏フルパネル)

遅延型アレルギー検査(IgG食物過敏フルパネル)食物アレルギーは、即時型と遅延型の2つに大別され、即時型はその原因食物を摂取した後すぐに症状が出るものをいい、遅延型は摂取してから数時間~数日後に症状が出るものをいいます。このように、遅延型アレルギーは、最長で数日経ってから症状が出ることもあるため、必ずしも最後の食事のなかに原因食品があるとは限りません。このため、何が原因なのかを簡単に推測できないのが厄介なところです。
当院で行っている検査は、219種類もの食品についてIgGの抗体を調べます。アレルギー検査には、IgE抗体を調べるものと、IgG抗体を調べるものがあります。IgE抗体によるアレルギーは原因食品を摂取するとすぐに反応することから即時型のアレルギーの検出に向いており、IgG抗体によるアレルギーは摂取後時間をかけて徐々に反応が出てくるため、遅延型のアレルギー検査ではIgG抗体を調べます。
ちなみに保険適用で受けられる検査は、即時型アレルギーを調べるもので、またほとんどが39項目しかありません。

遅延型アレルギーの検査食品項目

乳製品/卵

カゼイン、チーズ(ミックス)、卵白、卵黄、牛乳、ホエイ、ヨーグルト、α–ラクトアルブミン、β–ラクトグロブリン、バッファロー乳、ヤギ乳、羊乳

肉類

牛肉、鶏肉、馬肉、ラム、豚肉、カモ、ヤギ、ウズラ、ウサギ、七面鳥、ヴィール(子牛肉)、鹿肉、イノシシ肉

魚/シーフード

シーバス(スズキ目)、ハマグリ/アサリ、タラ、カニ、ウナギ、サバ、タコ、カキ、鮭、イワシ、ホタテ貝、鯛、エビ、イカ、マグロ、アンチョビ、カメノテ、鯉、キャビア、赤貝、コウイカ(スミイカ)、メルルーサ、ニシン、ロブスター、アンコウ、ムール貝、シーパーチ(スズキ亜目)、カレイ、マテ貝、シタビラメ、メカジキ、マス、ヒラメ

ナッツ/種子/豆

アーモンド、ソラマメ、サヤインゲン、キドニー豆、カシューナッツ、栗、ヒヨコ豆、ココナッツ、銀杏、緑豆、エンドウ豆、ピーナッツ、ピスタチオ、菜種、あずき、ゴマ、大豆、西洋クルミ、白インゲン豆、ブラジルナッツ、キャロブ、フラックスシード、ヘーゼルナッツ、レンズ豆、マカデミアナッツ、松の実、ヒマワリの種、タイガーナッツ

穀物(グルテンを含む)

大麦、デュラム小麦、グリアジン(グルテン)、オート麦、ライ麦、スペルト小麦、小麦、小麦ふすま、麦芽

穀物(グルテンを含まない)

ソバの実、トウモロコシ、キノア、白米、アマランス、ミレット(キビ)、タピオカ

フルーツ

リンゴ、アボカド、バナナ、ブルーベリー、チェリー、ブドウ(ミックス)、グレープフルーツ、キウイ、レモン、マンゴー、メロン(ハニーデュー)、オレンジ、桃、洋梨、パイナップル、イチゴ、スイカ、アプリコット、ブラックベリー、ブラックカレント(カシス)、クランベリー、デーツ、イチジク、グアバ、ライム、ライチ、マルベリー、ネクタリン、パパイヤ、プラム、ザクロ、レーズン、ラズベリー、レッドカレント、ルバーブ、タンジェリン(みかん・ポンカン)

野菜/藻類

寒天、わかめ、アスパラガス、ナス、ビート(てんさい)、ブロッコリー、ニンジン、カリフラワー、セロリ、キャベツ、キュウリ、ニンニク、ショウガ、昆布、リーキ(西洋ネギ)、レタス、もやし、マッシュルーム、オリーブ、タマネギ、ピーマン(ミックス)、ジャガイモ、かぼちゃ、ラディッシュ、ほうれん草、サツマイモ、トマト、カブ、スピルリナ、アーティチョーク、芽キャベツ、赤キャベツ、チャード(フダンソウ)、チコリ、ルッコラ、エシャロット、バターナッツかぼちゃ、クレソン、キャッサバ

ハーブ/スパイス

バジル、赤唐辛子、シナモン、カレー粉、マスタード、パセリ、コショウの実、ペパーミント、バニラビーンズ、アロエベラ、アニシード、ベイリーフ(月桂樹の葉)、カモミール、ケイパー、カイエン、クローブ、コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、朝鮮人参、ホップ、リコリス(甘草)、マージョラム、スペアミント、ネトル(西洋イラクサ)、ナツメグ、ローズマリー、サフラン、セージ、タラゴン、タイム

その他

カンジダ、サトウキビ、カカオ豆、コーヒー、ハチミツ、紅茶、緑茶、製パン用イースト、醸造用イースト、トランスグルタミナーゼ

遅延型アレルギー検査の費用

検査名 料金(税込み)
遅延型アレルギー(IgG食物過敏フルパネル) 55,000円

※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。
※採血検査です。
※食事制限等はありませんが、プレドニゾンやシクロスポリンなどの抗炎症剤または免疫抑制薬を使用している方では、正確な結果が得られない可能性があります。

ホルモン年齢検査(ストレスチェック付き)

ホルモン年齢

私たちの体は、50種類以上のホルモンがバランスをとりながら機能して生命を維持してくれています。そのなかでも、特に「IGF-I」と「DHEA-s」といった成長ホルモンは、加齢とともに著しく減少することがわかっています。成長ホルモンは、その名のとおり、身体の成長を促す役割を担っており、特に小児期に多く分泌されます。しかし加齢とともに分泌量が少なくなっていき、そのため、肥満、筋肉の減少、疲労、うつ、認知症といった幅広い症状が出てきます。つまり老化に大きくかかわるホルモンといえるでしょう。また、現代人に多いストレスも、ホルモンのバランスに大きく影響します。ストレスによってホルモンバランスが崩れると、成長ホルモンの減少と同じようにさまざまな悪い影響が出てきます。

この検査では、成長ホルモン(IGF-Ⅰ、DHEA-s)とストレスに関係するホルモン(コルチゾール)を測定します。IGF-Ⅰは、新陳代謝に関わる成長ホルモンで、老化を防止し、若さを保つ働きがあります。DHEA-sは、免疫力を高め、ストレスホルモンに対抗して細胞を守る働きがあります。加齢とともに減少しますが、テストステロンなどの急激に減少するホルモンに比べ、徐々に減少するため「高齢化の指標」と考えられています。コルチゾールは、副腎皮質で産生させるホルモンのひとつで、「ストレスホルモン」としても知られています。私たちがストレスを感じるとコルチゾールが分泌され、ストレスに対抗できるようエネルギーを産生します。ストレスが長期間にわたる場合やストレスそのものが大きいと、コルチゾールも連動して過剰に分泌され、これにより体に悪い影響が出てきます。この検査ではコルチゾールの値ならびにコルチゾールとDHEA-sとの比率をみて、どの程度ストレスを受けているのかも調べることができます。
現在、労働安全衛生法により、従業員が50人以上の事業場にはストレスチェックの実施義務が課せられています。しかし、50人に満たない場合でも、特に現代のストレス社会においてストレス対策は急務の課題となっています。従業員の方のストレス対策に、また福利厚生の一環として、この検査を活用してみてはいかがでしょうか。なお、通常のストレスチェックでは、質問に回答を筆記する方式ですが、この検査は血中のホルモンを測定する方法であるため、質問に回答しているときの心理状態に影響を受けるといったことがなく、科学的な見地から評価できます。当院では、産業医の資格を有する医師が対応いたします。

ホルモン年齢検査をお勧めする方

  • なんとなく調子が出ない
  • 最近ストレスを感じることが多いが、実際体がどの程度ストレスを感じているのか知りたい
  • 肌の状態が悪い
  • 更年期障害がある
  • 事業主の方で従業員のストレス対策を検討されている方

ホルモン年齢検査の費用

検査名 料金(税込み)
ホルモン年齢検査(結果説明込み) 13,200円

※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。
※検査同意書への署名が必要です。
※結果が出るまで最長で3週間程度かかります。結果説明のため再度来院していただきます。

栄養解析

栄養解析とは

診察

健康診断では特に問題が見つからないのに体調不良が続くという方が数多くいらっしゃいます。当院では、そういった方に栄養解析ドック(オーソモレキュラー栄養療法)による診察・治療を行っております。
原因不明の体調不良は、栄養障害によって引き起こされているというケースがしばしばみられます。そこで栄養状態を詳しく検査し、不足している栄養素を補充することで、症状と全身状態、生活の質の向上を目指します。
栄養解析ドックでは、最適な食事アドバイス、点滴療法、医療用サプリメントなどを駆使して、身体を作り上げる栄養素を補充し、体質を根本的に変えられるようサポートいたします。

栄養解析をお勧めする方

原因不明の体調不良が長く続いている方は一度検査を受けることをお勧めいたします。ちょっとした体調不良、体質の問題、と考えていた体調不良が、栄養障害が原因となっていたということもよくあります。当院では、対症療法に徹するのではなく、根本的に体質を変えていけるようにサポートさせていただきます。

栄養解析の費用

メニュー 料金(税込み)

初回血液検査(栄養解析レポートを含む)

22,000円:
初回カウンセリング料(15分)、
簡易レポート、結果説明(30分)を含む

※初診料が必要な医療機関が多いなか、当院では初診料はいただいておりません。
予約制です。
※詳細レポートを希望される場合、別途6,600円が必要です。

Lox-IndexⓇ検査

Lox-IndexⓇ検査は、採血をして脳梗塞・心筋梗塞の発症リスクを調べる検査です。血液中の超悪玉コレステロールである「酸化変性LDL(LAB)」と動脈硬化を促す「LOX-1」というタンパク質を測定して将来脳梗塞や心筋梗塞がどの程度の確率で発症するかを評価します。
この検査で用いられているLABとLOX-1を測定する方法は、吹田市で行われた研究で、心血管疾患発症リスクや脳梗塞発症リスクと関連性があることが確認されています[1]。

参考元

[1] Inoue, N., Okamura, T., Kokubo, Y., Fujita, Y., Sato, Y., Nakanishi, M., Yanagida, K., Kakino, A., Iwamoto, S., Watanabe, M., Ogura, S., Otsui, K., Matsuda, H., Uchida, K., Yoshimoto, R., & Sawamura, T. (2010). LOX index, a novel predictive biochemical marker for coronary heart disease and stroke. Clinical Chemistry, 56(4), 550-558.

メニュー 料金(税込み)

Lox-Index検査(結果説明込み)

18,700円

生活環境化学物質検査(TOXDetect ProfileⓇ)

生活環境化学物質検査(TOXDetect ProfileⓇ)私たちの身の回りには、有害な化学物質(環境毒素)が多く存在しており、それらは空気や水、食品からだけでなく、洗剤、柔軟剤、化粧品、シャンプー、プラスチック製品など、毎日使用する製品からも体内に侵入してきます。ほとんどの場合、その量はそれほど多くはありませんが、ある一定の量を超えると、私たちの健康に悪影響を及ぼすことがあり、慢性的な不調や病気の原因になることもあります。

この検査では、尿に含まれる27種類の代謝物の量を測定して、これら代謝物の元の物質である化学物質がどのくらい体内に侵入しているのかを調べます。

TOXDetectの検査物質

この検査の結果レポートは、以下の4つのカテゴリで構成されています。

カテゴリ 説明

フタル酸エステル類
・プラスチック製品、パーソナルケア用品(化粧品、シャンプーなど)、食品包装、医療機器などに広く使用される化学物質。
・曝露経路は、食品、水、空気、家庭用品、職場環境など多岐にわたる。
・内分泌かく乱物質として作用する可能性が指摘されており、ホルモンバランスに影響を与える可能性がある。

VOC(揮発性有機化合物)
・常温で容易に蒸発して気体になる有機化合物の総称。
・家庭用品(化粧品、香水、シャンプー、ローション、洗剤、芳香剤)、建材、自動車の排気ガス、製造業など、さまざまな発生源から環境中に放出される。
・慢性疲労、呼吸器症状、がんリスク上昇など、影響は多岐にわたる。

農薬・殺虫剤
・殺虫剤、除草剤、殺菌剤、殺鼠剤などの化学物質を包括的に指す。
・神経系へのダメージ、ホルモンバランスへの影響、生殖器系への影響など。

ビスフェノールなど
・他の3分類以外の物質。
・マニキュアや化粧品、たばこの煙、玩具など。
・ホルモンバランスへの影響、神経系へのダメージなど。

パラベン
・化粧品、食品の防腐剤など。
・内分泌かく乱、乳がんの原因の1つとされる。

その他毒物
・上記以外の毒物。
・製品、食品、水、空気などに含まれる毒物。

この検査では、以下の化学物質について調べます。

化学物質 主な用途
フタル酸エステル(5種類) プラスチック製品、パーソナルケア用品、食品包装、医療機器など。可塑剤として柔軟性を高めるために使用されている。
キシレン 工業用溶剤、塗料、接着剤、印刷インキ、農薬など。
スチレン / エチルベンゼン 発泡スチロール、プラスチック製品、食品包装、カーペット、自動車部品など。
ベンゼン 自動車の排気ガス、タバコの煙、工業用溶剤、接着剤、洗剤、プラスチック製品、ガソリンなど。
アクリロニトリル 合成繊維(アクリル繊維)、プラスチック製品、接着剤、ゴム製品の製造に使用されている。
1-ブロモプロパン 工業用溶剤、洗浄剤、接着剤、エアロゾル製品、ドライクリーニング剤など。
1,3-ブタジエン 合成ゴム、プラスチック、タイヤの製造に使用される。また、一部の遊具やスポーツ用フィールドの床材にも使用されている。
エチレンオキシド / 塩化ビニル 医療機器の滅菌、プラスチック製品、農薬、洗剤、接着剤、合成繊維の製造に使用さている。
2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D) 除草剤として使用され、農業や園芸で雑草の防除に使用される。ベトナム戦争で使用された枯葉剤「エージェント・オレンジ」にも含まれていた。
ピレスロイド 家庭用および農業用の殺虫剤として使用されている。
有機リン酸 殺虫剤として広く使用され、農業、家庭、園芸などで使用されている。
トリフェニルリン酸 難燃剤、可塑剤、接着剤、塗料、電子機器、家具などに使用されている。
アクリルアミド 食品の高温調理(揚げ物、焼き物など)、紙の製造、水処理剤、化粧品、プラスチック包装材に使用される。食品中のアクリルアミドは、食品中のアミノ酸と糖がメイラード反応によって生成される。
過塩素酸塩 ロケット燃料、花火、道路フレア、爆発物、漂白剤、一部の肥料などに使用される。環境汚染物質として、飲料水や食品にも検出される。
ビスフェノールS(BPS) プラスチック製品、缶詰の内張り、感熱紙、歯科用充填材などに使用される。ビスフェノールA(BPA)の代替として使用されることがある。
グリホサート 世界的に最も広く使用されている除草剤。日本でも年間使用量が増加しており、1989年の45.95トンから、2018年には6,161トンと大幅に増加している。環境ホルモン、内分泌撹乱物質、がんの原因としても知られ、不妊症につながる可能性が指摘されている。WHOの国際がん研究機関(IARC)によって「おそらく発がん性がある」に分類されている。
パラベン
(ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンの4項目)
主に化粧品や食品、医薬品の防腐剤として広く使用されている。エストロゲン様の作用を持ち、ホルモンバランスを乱す可能性があり、女性の生殖機能や妊娠に影響を与えることが示唆されている。
オキシベンゾン 主に日焼け止めや化粧品に使用される紫外線吸収剤。アレルギーや生殖器への影響が指摘されている。
ビスフェノールA(BPA) 食品容器や飲料ボトル、缶詰の内面コーティングなどに使用されている。内分泌撹乱物質であり、生殖器、胎児への影響のほか、心血管系や子どもの発達への影響も指摘されている。
メルカプト酸アトラジン(AM)

グリホサートに次いで、世界で2番目に広く使用されている除草剤。

検査レポートのサンプルはこちら
ToxDetect検査のカタログはこちら

この検査をお勧めする方

  • 原因不明の慢性不調がある(慢性疲労、呼吸器症状、神経症状など)
  • 環境毒素への曝露リスクが高い(農業、製造業、建設業、汚染地域に住んでいるなど)
  • 健康状態を積極的に管理したい
  • 妊活中、妊娠中の方
  • 喘息・呼吸器系に問題がある方
  • 認知機能が気になる方

TOXDetect検査の考慮事項

  • 化学物質そのものを測定するのではなく、その代謝物を測定します。
  • 体がその物質にどの程度暴露しているかを表すものであり、値が高いからといって必ず症状が出ている、または今後出るとは限りません。症状が出るかどうかは、個人の体質(免疫、遺伝、腸内細菌の状態など)によって異なります。
  • 化学物質過敏症の目安にはなりますが、この検査で高い値が出たからといって、即診断となるわけではありません。
  • 検査結果に用いられている高値や低値を決める基準は、CDC(米国疾病予防管理センター)が行っているNHANES(National Health and Nutrition Examination Survey:国民健康栄養調査)の最新情報に基づいています。
  • この検査は、旧検査「GPL-TOX」をバージョンアップしたもので、検査項目と検査法が変更されています。検査法はタンデム質量分析法から「クロマトグラフィー+質量分析法」に変更され、低濃度でも検出できるようになり精度が高められています。

TOXDetect検査の費用

検査名 料金
生活環境化学物質検査(TOXDetect ProfileⓇ) $530(その時期の為替レートによる)
初診料 11,000円(25分)
再診料(結果説明) 8,800円(20分)

※検査料支払い後に検査キットを発注します。
※検査料支払い後はキャンセルできません。
※各種クレジットカードを使用できます。

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