コラム

驚きの不合格率「29.6%」! 市販のサプリメント信じていいの?

local_offerメディカルサプリメント栄養療法

愛知県一宮市の「みらいウェルネスクリニック」では、栄養療法の一環としてサプリメント外来を行っています。

 

このコラムを読んでいる方の中には、「アメリカのサプリメントの方が成分が多い」という理由で、ネットでアメリカのサプリメントを買っている人も多いかもしれません。

 

しかし、本当にアメリカのサプリメントの成分は多いのでしょうか?

 

Supplements with a message

 

 

 

 

市販サプリメントの残念なデータ

2023年、アメリカの第三者認証機関「ConsumerLab.com」が、アメリカで販売されている一般的なマルチビタミン/ミネラルのサプリメント27製品を調査した結果、8製品が同社の基準を満たさなかったことが明らかになりました。つまり、『29.6%』が不合格だったのです(国の機関ではなく、第三者機関による試験であるため不合格でも販売できます)。

 

基準を満たさなかった主な理由:

  • ラベル表示よりも量が少ない
  • ラベル表示よりも量が多い
  • 溶解までの時間が規定よりも長い(長すぎると腸で吸収されない)

ひどいものだと、ビタミンDがラベル表示のわずか14%しか含まれていなかったという粗悪品も確認されています[1] 。

 

日本も安心なわけではありません。2019年に日本の国民生活センターが市販のサプリメント100製品を調べたところ、42製品が規定の時間内に溶解しないということがわかりました[2] 。これは、飲んでも成分が十分に吸収されず、目的の効果が得られない可能性を意味します。

 

 

 

Tablet supplement with fingers.

 

さらに、PubMedに掲載されている論文によると、米国の大手ネット通販で販売されている免疫系に働きかけるサプリメント30製品を調べたところ、17製品にラベル表示と実際の内容の不一致が認められました。その17製品のうち13製品では、ラベルに記載されている成分が実際には全く含まれておらず、ひどいものだと1製品で6成分が含まれていなかったというのです。このほか9製品では、ラベルに記載されていない成分、つまり入っていてはいけない成分が検出されています[3] 。

 

 

 

市販サプリメントはFDAの承認がいらない

 

アメリカのサプリメントだからFDA(米国食品医薬品局)の許可を得たうえで製造されていると思っている人も多いのではないでしょうか。実際、アメリカ成人の半数近くがそう誤認しているとのデータもあります。

 

しかし、医薬品とは違い、サプリメントの販売ではあらかじめ承認を得る必要はありません。製造業者は、正しい製造を管理するための枠組みであるGMP(医薬品製造基準)を遵守するよう指示されているに過ぎません。


それならGMPを遵守しているから安心ではないか、と思いがちですが残念ながらそうとも限りません。

 

2018年10月~2019年9月までの間にFDAが世界中のメーカー598社を調査したところ、米国企業の52%、海外企業の42%がGMPを遵守していないということが判明しました[4] 。

 

Shurugging lady

実は効果が低く質の悪いサプリを飲み続けているかもしれないあなた、果たして「知らぬが仏」でいいのでしょうか。

市販サプリメントは正に玉石混交

スーパーで食料品を買う際、「これ本当に国産か?」と考えたことがあるでしょう。しかし、ことサプリメントとなると、表示を完全に信じ切ってしまい、「本当にこの成分入ってるのか?」と疑ったことがないのが実情だと思います。

 

また、「この1粒にレモン50個分のビタミンC!」と謳っているサプリメント。しかし、どうしてその1粒がレモン50個どころか、1個よりもはるかに安いのか。安いなりの理由があるはずです(多くは天然でなく合成原料であるため)。

サプリメントも口に入れる食品。是非、厳しい目を持っていただきたいと思います。

 

サプリメントの製造は、我々が思っている以上に高度な技術を要します。考えてみれば、あんな小さな粒に何ミリグラムという微量な単位で成分を調節して閉じ込めるのです。技術が未熟な工場で製造されればロット間のばらつきも出てくるでしょう。

 

    Bunch of Supplements

 

ラベル表示より量が少ないのも問題ですが、量が多い方はもっと問題です。量が多いとなんだか得した気分になりますが、成分によっては体内に過剰に蓄積されてしまい、症状として出てくることもあります。

 

また、表示以外の成分が混入しているものも要注意です。海外では、サプリメントであるにもかかわらず医薬品の成分が入っていた製品も確認されています。

 

このように、ラベルの記載どおりではない、「不合格」とも呼べる製品が結構な率で存在しておりますが、おそらくは、意図せずこのような製品を製造してしまっているメーカーがほとんどでしょう。

しかし、中には、悪意をもって堂々と偽物を販売しているメーカーも存在しているということを念頭においておく必要があります※。

 

市販のサプリメント製品は正に「玉石混交」です。

このため、市販のサプリメントを購入する際は、少なくとも第三者機関による認証が得られているかチェックしたいものです。
日本では「GMP」の認証が得られているかがひとつの目安になるでしょう。サプリメント大国のアメリカの方が第三者認証機関が充実しており、主に以下の7つが挙げられます。

 

 

 

※2023年、米国NOW社は、米国大手通販サイトで同社の偽サプリメントが販売されているのを発見し、その旨をFDAに報告しています(https://www.nowfoods.com/about-now/press-room/press-releases/now-discovers-impersonator-fraudulent-products-sold-amazon)。

 

 

サプリメントを選ぶときはバイオアベイラビリティを考える

サプリメントを選ぶ際の重要な点は、「バイオアベイラビリティ」です。

 

バイオアベイラビリティとは、服用したサプリメントが体にどの程度吸収され、どの程度利用されるのかを表す用語です。

 

つまり、口に入れて飲み込んだから安心というわけではなく、飲んだ後、[しかるべきタイミングで溶解]⇒[吸収]⇒[体内で利用]という流れが実際に起こるのか、という点を考えてはじめてサプリメントを服用する意味があるのです。

Taking supplement

安価なサプリメントでよく使用されている合成原料は、吸収されにくいといった特徴があります。特にマルチビタミンのように、小さな粒にたくさんの合成原料を詰め込んだサプリメントは溶解しづらく、吸収が悪いと言われています。

 

一方、医療機関用サプリメントは、天然の原材料を使っているものが多く、それに加え、吸収をサポートするさまざまな工夫が施されているため、バイオアベイラビリティが高い製品だといえます。

Morioka

 

 

サプリメントは医療機関用が確実

上記の心配な事実を考えてみると、やはりサプリメントは医療機関グレードのものが安心・確実といえます。確かに医療機関のサプリメントはやや高額ですが、運悪く市販の粗悪品にあたってしまった場合、その方が間違いなくコストパフォーマンスが悪いでしょう。

一見安価にみえても、不確実なものを毎日、何年も飲むのは得策とはいえません。

 

 

しかし、市販のサプリメントがすべて悪いわけではありません。品質が保たれているものもたくさんあります。

 

そこで、上記の数々の心配なデータを踏まえたうえで、以下を自問してみてください。

  • 玉石混交の中から、安心できるものを正しく選ぶことはできるか?
  • 本当に表示の成分が表示の量入った、有害物質や不要な成分が入っていないサプリメントを選ぶ自信があるか?
  • いろいろ試してみて自分に合うものを選ぶという方法もあるが、そのサプリメントはすぐに見つかるだろうか?

 

サプリメントは「気休め」程度でいいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、質が悪いサプリメントにあたってしまうと「気休め」どころか体に悪い影響さえ出ることもあり、飲まない方が健康的です。実際、飲むのを止めたら体調がよくなったという、笑うに笑えない話があります。

 

また別の例では、医療機関用のサプリメントを飲んでいたがお金がもったいないからと、市販のものに変えたら体調が落ちたので、また医療機関用サプリメントに戻すため来院された方もいらっしゃいます。

 

せっかく飲むのであれば、遠回りせず、安心・確実な医療機関グレードのサプリメントを強くお勧めします。

 

A lady with Supplements

 

 

医療機関用サプリメントの特徴

  • GMP認定工場で安全基準に厳格に従って製造されている。
  • ラベル表示の成分が過不足なく含まれている。
  • 体に吸収されるよう、規定の時間で溶解する。
  • 効率的な吸収をサポートするさまざまな工夫(ミセル化など)が施されている。
  • 原材料にこだわっている(吸収の悪い合成物ではなく天然物の使用など)。
  • 不要な物質を極力使用しない(グルテンやカゼインなど)。

上記を満たさないサプリメントは、体内に十分に吸収されず排泄されてしまう可能性があります。

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つまり、せっかく買ったサプリメントを捨てているようなものです!

注:なお、サプリメントは健康をサポートするための補助的なものであり、バランスの取れた食事や健康的な生活習慣と併用することが大切です。

当院が採用している医療機関用サプリメント

 

メーカー名 イメージ 備考 webサイト
MSS 日本の医療機関向けサプリメントのトップシェアメーカー こちら
ヘルシーパス 天然素材にこだわる日本のメーカー こちら
QuickSilver Scientic QuickSilver Supplements 特にリポソーム製品を強みとする米国のメーカー こちら
クレアラボ Klaire labs supplements プロバイオティクスをメインとする米国のメーカー こちら
カリフォルニアニュートリエンツ California Nutrients Supplements 日本の医療機関向けに米国製品をメインに輸入販売するメーカー兼代理店 こちら
MATRIX臨床研究会 MATRIX Supplements 人の本来の機能を回復させる治療を目指す日本の研究会 こちら
シクロケム Cyclo Chem company logo ドイツのシクロデキストリンメーカーの国内総代理店 こちら
友愈 Yuyu Company Logo 和漢サプリメントの日本のメーカー こちら

 

 

    

自分にとって本当に必要なサプリメントについて調べてみませんか?

次に心当たりはありませんか?

 

 

ネットの口コミ評価がいいのでなんとなく飲み続けている

⇒まず匿名性が高い口コミであることを改めて認識しましょう。また、必要なサプリメントは個人によって大きく異なります。

 

ご自身に不足している栄養素を検査して、不足している栄養素を食事とサプリメントで補うことをお勧めします。

 

 

サプリなんかで体調不良が改善されるわけがないと思っている

 

⇒確かにサプリメントは医薬品ではないのでそう思われても仕方ありません。

ここでひとつ例を挙げます。体のあちこちがかゆくて、皮膚科でさまざまな塗り薬を試したけど一向に治らない方が、検査を行って亜鉛が不足していることがわかり、サプリメントを続けたところ劇的に改善したという患者さんがいらっしゃいました。

このように、不調の原因が栄養不足からきている場合、サプリメントを、それも品質の高い医療機関用のものを用いることで改善されることが多くあります。

 

 

ビタミンCは水溶性なのでたくさん飲んでも体内に蓄積されない。だから冬は風邪予防のため1日に何回も飲んでいる

 

⇒水溶性のビタミンであれば体内に蓄積されず尿として排泄されますが、毎日1日に何度も飲むなど、過剰摂取により嘔吐、胃けいれん、下痢を起こすことがあります[5] 。

確かに、ビタミンCの抗酸化作用が活性酸素の抑制に寄与し、これが免疫アップにつながることが期待できます。

一方、いつも悪役とされる活性酸素ですが、適切な量であればリンパ球やT細胞の働きをサポートすることもわかっています。したがって、長期間、活性酸素のレベルを低下させた状態にするのはいいことではありません。

医師の指導の下、品質の確かなサプリメントを適切な量とタイミングで飲むのをお勧めします。                                                                                        

 

   

 

サプリメント外来にどうぞ

当院では、自費診療のオーソモレキュラー栄養療法の中にサプリメント外来を設けています。

栄養療法では、まずカウンセリングで症状やお悩みをお伺いしたうえで栄養解析検査を実施します。この検査では70にも及ぶ項目について検査し、不足している栄養素がないか調べます。

 

不足している栄養素が見つかったら、食事療法を指導させていただくほか、最適な医療機関用サプリメントをご提案します。

 

その後、サプリメントを続けられる場合、ご本人の利便性に配慮して、医療機関用サプリメントのメーカーであるMSS社のネット通販「MSSダイレクト」、またはヘルシーパス社の「オンラインショップ」にアクセスできるよう、ご希望に応じてIDとパスワードをお渡しします。

 

 

 

何か症状がある方だけでなく、なんとなく効いてる気がするというだけの理由で、漫然と市販のサプリメントを使用している方もお勧めです。

いまいちど、本当にそのサプリメントは必要なのか、不足している栄養素がほかにあるのではないか、こういった点も含め検査してみてはいかがでしょうか。

 

実はサプリメントもかなり奥が深い分野です。他の薬との相互作用、相性のよいサプリメントの組み合わせ、メーカーごとの特徴や傾向など、サプリメントに精通した医師による指導でサプリメントを飲むのと、ただ漫然と飲むのとでは、今後サプリメントを飲み続ける年単位の時間を考えたら、とてつもなく大きな差となります。

 

他院での経験も含め、10年間オーソモレキュラー栄養療法を行っている院長が、充実した各種バイオメディカル検査~サプリメント&栄養指導を通じて、毎日元気に過ごせるようサポートしております。

 

 

 

参考元

[1] https://www.consumerlab.com/reviews/multivitamin-review-comparisons/multivitamins/
[2] https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190801_1.html
[3] Crawford C, Avula B, Lindsey AT, Walter A, Katragunta K, Khan IA, Deuster PA. Analysis of Select Dietary Supplement Products Marketed to Support or Boost the Immune System. JAMA Netw Open. 2022 Aug 1;5(8):e2226040. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2022.26040. PMID: 35947382; PMCID: PMC9366544.
[4] https://www.fda.gov/drugs/postmarketing-drug-safety-compliance-2019-inspection-findings-apr-29-2020-04292020-04292020
[5] 厚生労働省eJIM | ビタミンC[サプリメント・ビタミン・ミネラル - 一般] (ncgg.go.jp)

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